村上龍の同名小説を鬼才・三池崇史監督が映画化し、クエンティン・タランティーノやイーライ・ロスなど海外の映画監督たちにトラウマ級の衝撃を与えたサイコ・ホラー『オーディション』(1999年)。妻を亡くしたビデオ制作会社の社長・青山が、友人の勧めで映画のヒロインを選ぶという名目の「偽装オーディション」を開催し、そこで出会った清楚でミステリアスな女性・麻美に惹かれていくことから物語は始まります。

前半は静かで切ない大人の純愛ドラマのように進行しますが、中盤以降、麻美の過去と異常性が明らかになるにつれ、ジャンルが予測不能な狂気のスリラーへと変貌します。

有名な「キリキリキリ…」という効果音とともに描写されるクライマックスの拷問シーンは、視覚的な残酷さだけでなく精神的な痛覚をこれでもかと刺激し、ジャパニーズ・ホラーの歴史に悪名高くも燦然と輝く伝説的作品となりました。