1971年の放送開始から半世紀。庵野秀明監督が『シン・ゴジラ』『シン・ウルトラマン』に続いて手掛けた『シン・仮面ライダー』(2023年)は、石ノ森章太郎の原作が持つ「怪奇性と孤独」にスポットを当てた異色のヒーロー映画です。望まぬ改造手術を受けた本郷猛が、謎の組織SHOCKERから離反し、仮面ライダーとして戦いに身を投じていく姿を描きます。
本作の特徴は、凄まじいスピード感と暴力性を伴ったアクション、そして徹底的に作り込まれたスーツやメカニックのデザインです。また、浜辺美波演じる緑川ルリ子とのバディ的な関係や、本郷猛の内面に流れる「優しすぎるがゆえの苦悩」といったキャラクター造形も、従来の特撮ヒーロー像を深く掘り下げるものとなっています。
往年のファンを唸らせる膨大なオマージュを散りばめつつ、一つの「映画」としての作家性を爆発させた本作は、日本が誇る特撮文化への熱烈なラブレターでもあります。