塚本晋也監督が自主制作で完成させ、ローマ国際ファンタスティック映画祭でグランプリを獲得、世界中のカルト映画ファンを熱狂させた『鉄男 TETSUO』(1989年)。ある朝目覚めると頬に金属のトゲが生えていた平凡なサラリーマンが、やがて全身が鉄の塊へと変異していき、彼を憎む謎の「やつ」と凄惨な戦いを繰り広げます。

デジタルCGが存在しない時代に、粗悪な16mmモノクロフィルムとストップモーション・アニメーションを駆使し、スクラップの鉄くずと肉体が融合していく様をグロテスクかつエネルギーに満ちた映像で表現。インダストリアル・メタル的で無機質な石川忠の爆音スコアが、男の閉塞感とスピード感を増幅させます。

現代社会におけるテクノロジーと肉体の関係性というテーマを、DIY精神あふれる圧倒的な熱量で映像化した、日本・サイバーパンク映画の永遠のマスターピースです。