1988年に『火垂るの墓』と同時上映されたスタジオジブリ制作の『となりのトトロ』は、今や日本の国民的アニメーションであると同時に、世界中で最も愛されるファンタジー作品の一つです。昭和30年代初頭の田舎に引っ越してきたサツキとメイの姉妹が、森の主である不思議な生き物トトロやネコバスに出会う冒険を、どこか懐かしい風景の中に描いています。
宮崎駿監督の瑞々しい感性が、雨の日のバス停での出会いや、夜の庭で芽を出す踊りといった、子供の頃に誰もが抱いたであろう空想を完璧なビジュアルで再現しています。久石譲による主題歌『となりのトトロ』や『さんぽ』は、今や子供たちのスタンダードナンバーとなりました。本作には大きな悪役が登場せず、自然への敬畏の念と、家族を思いやる子供たちの純粋な心が、物語を優しく動かしています。
日本のアニメーションが持つ、世界を魔法に変える力を体現した本作は、世代を超えて、そして国境を越えて、観る人すべての心の中に「森」を植え付け続ける、永遠の宝物のような作品です。