吉田秋生の人気漫画を是枝裕和監督が映画化した『海街diary』(2015年)は、鎌倉の美しい自然を背景に、家族の再生を静かに描き出した秀作です。父の葬儀で初めて出会った中学生の異母妹・すずを自分たちの家に迎え入れた三姉妹。彼女たちが本当の「家族」になっていくまでの時間を、法事や食事、梅酒作りといった日常の儀式を通して優しく綴ります。

主演の4人(綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、広瀬すず)が、本物の姉妹のような親密な空気感を見事に作り出しており、それぞれが抱える喪失感や葛藤が、鎌倉の四季の移ろいとともに少しずつ癒えていく過程が見事に描写されています。

菅野よう子による繊細な音楽と、是枝監督ならではの「そこに生きている人々」を慈しむようなカメラワークが、見る者の心を温かく満たしてくれます。日本の伝統的な家庭の風景と、現代的な家族のあり方が共存する、宝石のような作品です。